トモコとの同棲期間中、俺の仕事は相変わらずハードで、毎日、朝早くから職場に出向き、家に帰るのは真夜中だった。

彼女はいつも先に寝室で寝ているが、帰りの遅い俺のために、夕飯は、あたためて美味しく食べられるものを作っておいてくれた。

素晴らしい彼女がいて、自分はなんて幸せ者なんだと思う反面、本来あるはずの恋人同士の時間がほとんどなく、彼女に対して申し訳なく、そして、自分自身も、些か不満を抱いていた。

その日も、いつものように帰宅は深夜。
いつものように、テーブルの上には俺の夕食が用意してある。
ただし、いつもと違っていたことがある。
そこに一枚のメモが添えられていた。

いつもお疲れ様です。
明日はお休みだったよね?
今夜は、冷蔵庫と、寝室に、デザートがあります。
美味しいから両方食べてね♪

冷蔵庫の中には手作りのティラミスがあり、そして寝室にはもちろん、彼女がいる。
俺はティラミスを持ってベッドへ向かった。

つづく