前回の『ドタキャン逆ギレ事件』以降、俺の気持ちは完全に横峯さくらから離れていた。
事実、それから1週間、俺は彼女と逢うことを遠回しに避けていた。
そして10月29日、金曜日。
その日、俺は友人が主催するハロウィン・パーティーに参加していた。
横峯さくらには伝えていなかったので、彼女は俺がそのパーティーに参加していることを知らなかった。
俺はそのパーティーの模様を Twitter でも呟いていたのだが、それを読んだ横峯さくらは俺に1通のメールを送った。
その内容は以下。
送信日時は2010年10月31日2時18分。
本当は直接言おうと思ってたんだけど、なかなか会えないからメールにします。
夏紀は元々私のコトを特定の「彼女」だとは思ってないよね。なので、私もそう思うことにしたよ!
夏紀とは「友達」でいた方がうまくいくと思う。
ただの友達でも、sexありの友達でも、どっちでもいいけど。
ミッション・コンプリート。
横峯さくらが自分から「sex有りの友達でもいい」と言ってきた。
彼女自身、俺に逢えないことに不満を感じていたのだろう。
そして想定外の展開だが、このメールは Twitter で出逢った女性とセックス・フレンドになることが可能であることの証明になった。
さて。
俺と横峯さくらはその後も何度かカラダを重ねることになり、お互いをセックス・フレンドとして認識するようになっていたが、2人の間の亀裂は大きくなるばかりだった。
横峯さくらは『セックス・フレンド』という曖昧な関係がイヤだったのかもしれない。
彼女は、自分から誘っておいてその約束をドタキャンするという不謹慎かつ不誠実な行為を、短期間の間に3〜4回も繰り返していたのだ。
俺たちは2人とも我慢の限界に達していた。
そして、11月22日を迎えた。
横峯さくら:「今夜は空いてないの?」
俺:「ん〜。空いてないことはない。」
横峯さくら:「じゃあ今夜会おうよ♡」
こうしたメールのやり取りを経て彼女と逢うことになったのだが、仕事が終わって携帯のメールを確認すると、また同じように彼女からのドタキャンのメールが入っていた。
忙しいようなので、今夜はやめにしましょう。
度重なるドタキャンに憤りを感じた。
オマエまたドタキャンかよ!
自分から誘っといて、そういうのいい加減やめろよ!
…と俺。
こんな時間まで連絡とれなくて、私のコト責めないでよね!
遅くならないと会えないなら、はじめから言ってよ。
…と彼女。
そのメールを受信した直後に気付いた。
前回の『ドタキャン逆ギレ事件』は10月22日のことだった。
今回は11月22日。
つまり…。
あれからちょうど1ヶ月。
今日が『予定日』に重なっていることは確かで、彼女は再びPMSに患わされていたのだろう。
ある意味『運命の悪戯』だ。
恐るべきは『PMS』である。その影響かどうかは不明だが、横峯さくらは俺との『セックス・フレンド』という関係を終わらせる意思があったようだった。
俺の彼女に対する気持ちも完全に冷めていた。
そして彼女との恋は終わった。
交際期間は約3ヶ月間。
短く儚い逢瀬だった。
以上が、Twitter で知り合った1人の女性と出逢い、セックス・フレンドになり、そして別れるまでの、一部始終の全てである。
完。