「酔っぱらいの女」に絡まれた…!
もう散々な夜だった…!

昨日、1月28日の夜。時刻は深夜22:00時。仕事を終えたばかりの俺は、偶然、呑んだくれてホロ酔いのアユミを「拾う」ことになった。

既に5杯ものカクテルを飲み、半ば泥酔状態の彼女を俺の車に乗せ、向かった先は、アユミがよく行くカウンターバー。

俺は車の運転があったため、ノンアルコールのカクテル「ヴァージン・ブリーズ」を注文した。彼女はそんな俺を差し置いて、「コスモポリタン」を注文する。──俺が教えたカクテルだ。

さて。
今日のアユミは、酔っぱらっている以前に、なんとなく様子がおかしかった。

俺がそのことについて問いつめると、「パパと喧嘩した…家に帰りづらい」とのこと。
それで、こうして「アフター5」の俺を捕まえて飲み歩いてる次第だった。

延々と愚痴や不満、不安を吐き出すアユミ。
当初、俺は黙って彼女の話に耳を傾けていたが、ハッキリ言ってそれも飽きてきた。

俺は、彼女が座っている席のちょうど真後ろに、壁に掛けられている一着の服に目を付けた。

そこにあったのは、、、

ピンクのナース服

…である。(なんでこんなところに?)

バーテンのおねぇちゃんに「着てもイイの?」と尋ねると、「是非!」とのことだった。
そこで俺は「アユちん、ナース服着てよ」と、嫌がる彼女に無理矢理その服を着せた。

すると、俺たちの隣に座っていた三人組の大学生たちが、ナースルックのアユミの姿を見て興奮し、盛り上がる。アユミもその気になり、テンションが上がってきて、かなりゴキゲンの様子だった。

ちなみに俺は、自称「コスプレ・フェチ」である。
特に、「働いている女性の制服姿」が大好きだ。

ナース服なんて、もう最高。

アユミちゃん。5点あげる。
見事100点集めれば、素敵なプレゼントが貰えるよ。

しかし、呑んだくれてヘベレケになっているアユミは、その時点で既に「−40点」ほど減点されている。
アユちん、挽回するのは先が長そうだぜ?

しかし俺はもう、早く自分の家に帰りたい。
ただでさえ仕事上がりで疲れている上、酔っぱらってワケのわからない女には、これ以上付き合いたくない。

一杯目のカクテルをようやく飲み終わったアユミは、店内に響き渡るほど大きな声で「おかわりくだしゃい!」と叫んだ。

「はぁ? 何オマエ、まだ呑むのかよ!?」…呆れる俺。

「だぁ〜かぁ〜らぁ〜! おかわりくらひゃい!」とアユミ。

「『おかわりください』っつーか、オマエ、『おかえりください』って感じだよ!」

俺のツッコミを聞いて隣の大学生たちも大爆笑。

仕方なく、アユミに二杯目のコスモポリタンを呑ませ、グロッキーになったアユミを俺の車の助手席に押し込んだ。

「ってかね、いっせーちゃん、違うの。わたし。めちゃくちゃ呑んで酔っぱらってるわけでもなくぅ、めちゃくちゃ呑んで酔っぱらってるわけでもなくぅ、…違うの!」

「いやオマエ、今同じこと二回言ったから」

さらに、スピーカーから流れ出した「CHE.R.RY(チェリー)」に合わせて熱唱するアユミ。
ちなみに歌っているのは「YUI」ではなくて「Lumiere」。

「こぉーいぃー しちゃったんだー たぁぶんー 気付いぃてなぁーいでしょぉおー」

「ほぉしのー よぉーるねがぁーい こぉめぇてぇー ちぇえりぃー」

「ゆびしゃきでをくる きみへの めぇっせぇーぢ!」

俺も、アユミの歌声に合わせて「叫ぶ」ことにした。

「ぁ〜あ! ぁ〜あ! ぁ〜あ! ぁあ!」

…長い夜だった。