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当初の予定では、一次会が終わった時点で横峯さくらを連れ出し、再び2人きりになって俺の部屋かホテル、もしくは彼女の部屋に連れ込む…というような展開を期待していた俺だったが、酔いが廻ってハイテンションになっていて、さらに追い討ちをかけるように横峯さくら自身が「行きましょうよ!」と俺を誘ってきたことでさらに気分が良くなり、彼女の提案に乗って二次会に参加することになった。

会場は一次会の場所のすぐ近く。地下にあるお洒落な居酒屋だった。
参加メンバーは一次会のときの半数ほど。
俺と横峯さくらは、当然、隣同士の席だ。

これ以上飲むとヤバいとわかっていた俺は、アルコールは控え、代わりにジュースやウーロン茶を注文。対して横峯さくらは、いかにも女の子が好きそうなカクテルの類いを飲んでいる。

会話が盛り上がり始め、周囲が騒々しくなってきた頃、テーブルの下で彼女の足をつつき、意識をこちらに向けさせた後、彼女の耳元で、他の誰にも聞こえないように、静かな声で囁いた。

「●●さん、手、貸して」

彼女はすぐに俺の真意を察し、左手をテーブルの下に持ってきて、俺の右手に触れた。
彼女のカラダに触れたのはこのときが最初だった。

俺は彼女の手を握った。

周囲の人たちは、誰も俺たちが手を繋いでいることを知らない。
ちょっとした『2人だけの秘密』の共有。
この後の展開も約束されているようなものだった。

続く。

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