俺は、一夫多妻制である。

この事実を、隠すこと無く公に宣言している。

この場合の「公に宣言している」とは、ガールフレンド全員がその事実を知っている、ということとイコールだ。

俺の真意を理解していない外部の女性は、このことを「不特定多数の女性と遊んでいる」と解釈するかもしれない。しかしそれは誤解だ。
俺が理想としているのは【特定複数】のガールフレンドとの親密な関係であり、決して【不特定多数】ではない。この恋愛スタイルを単に【遊び】だと考えるならば、それも違う。第一、俺は浮気をしない。俺は本気だ。正確にいえば、【すべて本気】の関係だ。

隠したところでいずれバレる。
だったら最初から声高らかに自分のスタイルを宣言し、誤解の種を取り除いておく。

実際、【一夫多妻制宣言】は、ガールフレンド候補をふるい分けるフィルターとして、大いに役立っている。

最近では、女性からの「彼女いるの?」という質問に対し、「あぁ。いっぱいいるよ」と答え、冗談ではなく本気だと念を押し、一夫多妻制が俺のスタイルだということを告白する。

】というサイトを運営していることを説明し、もし、理解と承諾が得られるならば、このサイトに二人の関係を記事として書くことも伝える。

あからさまに不機嫌な態度を取ったり、難色を示したりするようであれば、後々面倒な問題に発展しかねないので、いくら彼女が魅力的な女性だったとしても、それ以上は彼女との関係を深めることはしない。
逆に、俺の告白に興味を持ち、理解を示し、あるいは俺の真意を探ろうとさらに深く会話を掘り下げようとするのであれば、おそらく、彼女には素晴らしいリレーションシップを築く土台が出来上がっているのだろうと解釈する。もし恋愛関係に発展しなかったとしても、お互いを高め、磨きあえる、いい友人でいられるだろう。

女性に対して、なるべく誤解を招くような言葉を使わないように気を遣っているが、この辺りの気遣いができない男性がよく使う台詞に、「キミが一番だよ」、「キミを一番大切に思っているよ」という言葉がある。

確かに。その言葉は真実だろう。

ただし、付け加えると、「あなたと一緒にいるときはあなたを一番大切に思っているよ」ということだ。

あなたと一緒にいるとき、男性の頭の中はあなたのことでいっぱいだ。
他の女性のことなど頭の片隅にも無い。
しかし、他の女性と一緒にいるときは、あなたのことは綺麗サッパリ忘れ、目の前の女性に集中している。それが男性の思考回路であり、対象が「女性」であっても「仕事」であっても、あるいは「友人」、「趣味」、「その他」、なんでも同じだ。
俺たち男性は、いま目の前にあるターゲットに100%、すべての神経を注ぐ。集中力を分散させることは無い。いや、あったとしても、「あれをしながらこれをやる」女性のような器用さは持ち合わせていないため、すべてを台無しにする結果が待っている。

男性は常に、いま目の前で起こっている物事にのみ、集中しているのだ。

故に、この男性は、出逢う女性すべてに同じ台詞を語ることになる。「あなたが一番だ」と。

俺はガールフレンドとの交際が始まったとき、あるいは始まる前に、これらの男の生態をあらかじめ説明しておくことで、次のような無意味な質問で悩まされることを回避している。

「私と仕事、どっちが大切なの?」
「私と○○(別の女性の名前)、どっちが好きなの?」
など、この類いの質問だ。

どちらが好きか?
どちらが大切か?
どちらをより愛しているか?

それらの答えは、状況や環境に依存する。
男性がいま立っている場所によって異なる。
いま目の前に誰がいるかによって、男性の答えは変わるのだ。これは、嘘をつくこととは違う。俺たち男性は、ほんとうに、いま目の前にいる女性がすべてなのだ。

そこで問題になるのは、「二人の女性と一緒にいる場合はどうなの?」だが、「二人のことで頭がいっぱいになっている」が正解だ。

目の前に二人のガールフレンドがいる場合でも、男性はどちらがより好きかを感じる敏感な心を持ち合わせていない。
自分の感情にさえも鈍感なため、せいぜい、「どちらが得か?」、「どちらが損か?」を端的な情報に依存して判断するだけだ。

ただ純粋に【3P】を求めている場合もあるかと思う。…ここでも誤解を招かないように。ハッキリさせておくが、俺ももちろん【3P】をしたい。

二人の女性を同時に愛し、二人の女性から同時に愛されい。

男のロマンである。

攻撃は最大の防御なり。

【一夫多妻制宣言】は、チャンスを招き、問題を回避する。

先日、ガールフレンドの一人(ヒロコ)が、俺に対してこんなことを言った。

「夏紀、一夫多妻制なんだから、他に女ができても私を捨てないでね」

最高にクールな台詞だと思った。この台詞からも垣間見れるように、修羅場を招いたことは一度も無い。

一夫多妻はエネルギーのバロメーターでもあり、【運命】の概念にさえも影響を及ぼす。

運命とは、生まれたときから決まっていたり、神様から与えられるものではない。

運命とは、俺たちの手に委ねられている選択肢。
決断し、選択した結果。それが運命だ。

運命を左右するのは自分の力。エネルギー。それ以外には無い。

エネルギーを高めていけば、求めるがまま運命を切り拓いていけるし、運命の人でさえも、求めるだけ何人でも現れる。

そう。【運命の人】とは一人だけではなく、何人も存在する。それが現実だ。

経済力があり、時間の制限に縛られず、コミュニケーション能力に卓越し、包容力があり、精力絶倫の男性でなくては、一夫多妻は実現しない。

このような強いエネルギーを保っている男性だからこそ一夫多妻が実現し、愛する女性たちに囲まれているからこそ、強いエネルギーを発揮し、持続することができている。

女性も同じだ。他の女性には無いオリジナリティあふれる個性、美しい容姿や立ち振る舞い、会話のセンス、エロス、セックスアピール、それらの魅力があるからこそ多くの男性を惹き付け、それによってさらに魅力に磨きがかかる。
大きく深い器量を持つ女性だからこそ、【運命の人】と巡り逢える確率が高まり、素晴らしい男性を虜にし、幸せな生活を実現できることになる。

自分が持っているエネルギーが弱ければ、一生涯、運命の人にさえも巡り逢うことができないだろう。

【一夫多妻】を推奨する理由は他にもある。
男性のエネルギーが強い場合、複数の女性との関係があったほうが、結果的にすべての関係がうまくいく。一人の女性ではその溢れるエネルギーを受け止めることができないからだ。

同棲を始めたばかりのカップルや新婚の男女の場合などで、舞い上がっている男性が強烈な性欲を抑えきれず、あまりにもしつこくセックスを求めるために、女性が嫌気をさすケースがこれにあたる。

ちなみに、今現在の俺のキャパシティにはまだ余裕があり、具体的には、あと一人分、空きがある。(…と思う。)

ここでさらにいくつかの疑問もでてくるだろう。

女性よりも不器用なはずの男性が、なぜ複数の女性と交際し、関係を維持できるのか?

逆説的だが、不器用であるが故に、複数の女性との関係を維持できるのだ。

男性と女性の立場が逆転していたり、あるいは【一夫多妻】の事実を隠していたとしたら、もし、それがバレた場合、関係に亀裂が入ることは間違いない。

そのような状況では、まるで綱渡りをしているような感覚に陥り、隠蔽と捏造を繰り返すことになり、ストレスやトラブルであふれることになると思う。誠実さに欠け、良心の呵責に悩まされるだろう。

しかし俺は違う。
先に説明した通り、男性はいま、目の前にいる女性にすべてを捧げる。ある女性といるときに別の女性の影が現れることは無いし、最初から既に【一夫多妻】を宣言している時点で、問題の種はほとんど残されていない。…もっとも、部屋の隅や車の中やベッドの上に、他の女性の痕跡が残されていることは多々あるだろうが…。

俺はそんな些細なことを気にしたりしない。すべての情報を公開する。問題が起きれば当事者全員を巻き込んで解決法を探る。

なんて潔くて、気持ちのいいことだろう!

一夫多妻に万歳!
俺たちはいま、最高に幸せだ!

そもそも一夫一妻制は、先に権力を持った人間のエゴが発端となっている。というか、いまこうして持論を展開している俺自身が一番大きなのエゴの塊なのだが。それを棚に上げといて話を先に進めると、きっと一夫一婦制を提案した彼は、モテない男だったに違いない。
冴えない男で、人気がなく、女性に振り向いてもらえず、失恋の痛手を新しい恋愛で埋める術を知らず、別れた彼女を忘れることができず、想い出を引きずり、少数の男性が多数の女性を独占する現状が許せなかったのだろう。

世界に目を向ければ、世界192カ国のうち、一夫多妻制を採用している国は40%に及ぶ。
この点に関しては、文化的、宗教的、あるいは経済的な様々な要因が絡んでくるので一概にはコメントできないため、客観的なデータ、事実としてのみの紹介とする。

ユダヤ教やキリスト教が普及する以前、人間社会の80%以上は一夫多妻だった。

俺はまだ未婚者だ。そのうち結婚するつもりだが、日本の法律に従って一夫一妻制という選択肢を生活に取り入れる気はない。少なくとも、今のところは。

一夫一妻制には限界がある。

賢明な読者はすでに気付いているだろうが、俺たち人間はもともと一夫一妻ができるように進化していない。一夫多妻に生まれついているのだ。

一人の男性との密な関係を求める女性に対し、男性は複数の女性との関係を求める。
遺伝子学的にも、俺たちの脳はそのように仕組まれているらしい。

女は愛する男とたくさんセックスしたがる。
男はとにかくたくさんセックスしたがる。

アラン・ピーズ & バーバラ・ピーズ

下手な倫理観に縛られて自分を制限して生きることは、過度のストレスになり、本当に大切な人間関係を破滅させる原因にさえなり得る。
…あなたは、この意見に異を唱えることはできない。…そうだろ?

常識や既成概念を超えて自分の思考を解放し、感性の赴くままに生きることで、何の努力も無く、より自然に幸せな人間関係を構築することができるのに、何故わざわざその選択肢を遠ざける必要があるのか?

俺たちは、一人一人異なる嗜好を持つ生き物だ。

一夫一妻制を好む人もいれば、一夫多妻、あるいは一妻多夫を好む人もいるだろう。生涯独身を貫き通し、清廉潔白、純潔を守り抜く人もいる。一夫一夫や一妻一妻、つまりゲイもいる。多夫多妻を好む人もいるかもしれない。それでいいじゃないか。

一夫一妻制や生涯独身に異論を唱えているワケではない。
俺は、自分の理想に忠実に生きる、その素晴らしさを知っている。
選択肢は無限であり、自由だ。俺たちは純粋に幸せを求めて生きる。それこそ俺たちのあるべき姿ではないのか?

俺は一夫多妻制だ。ただそれだけのことである。そしてこれが俺自身の、一夫多妻制の本質である。