2010年2月10日。…つまり、一昨日のこと。
短期集中恋愛講座 Episode.7』を書いている途中で、マリアが使っていた香水の銘柄を思い出せずに、筆が止まってしまった俺は、「香水の銘柄を聞き出す」ことを口実に、久しぶりに彼女に電話をかけることにした。

彼女は電話に出てくれるだろうか…?

呼び出し音が鳴っている間、ちょっとした不安がよぎる。
が、マリアは電話に出てくれた!

こうして会話をするのは、実に数ヶ月ぶり。
マリアは俺からの電話が相当嬉しかったらしく、息を弾ませて話し続けた。

俺と別れた後のことを。
髪を切って「超快活になった」ことを。
使っている香水のことを。
仕事のことを。
俺たちの共通の友人たちのことを。
そして、これからの俺たちの関係のことを。

さらに電話を切った後、マリアから一通のメールが届いた。

その内容は以下。

2010年2月10日 23:49
差出人:マリア
宛先:GEKI
タイトル:Re:

さっきはお電話ありがとう。
びっくりしたけど、なんかね、ふわーって嬉しい気持ちになりました。

GUCCIはENVY。実はいっせーがつけてた新作のENVY MEがすごくいい香りで、旧の方を気に入って買いました。
CDはjadore。今CMでやってるけど、私は7年以上愛用してる。

クリスマスにいただいたメール、いっせーにしては珍しく長かったよね?
避けてた訳じゃないんだけど、女の子は吹っ切れるのにちょっと時間がかかるから。。

出会えて良かった、って言ってくれたこと、素直に嬉しかったです。
いっせーといると有り得ないことが次々起こって、たぶん私の口癖は、「何それ!有り得ない!」だった。
でもいっせーの言葉は、結局全部ほんとになっちゃって。
いっせーの言うことって真をついてて、ふとした時に思い返してた。
一度私が、
「3番目の彼女にしてくれるって言ったじゃん。。」ってなった時、「3番目なんだ?」ってスルーされたけど、今になって、もしかしたらいっせーなら全ての女の子を同じように大切にしてくれたかもしれない、って思うんだぁ。
私こそほんとあり得ないねこの考え(笑)

情緒不安定で、電話でぐだぐた言ってごめんなさい。

なんだかんだ言って、私ほんとなんだかんだ言ってたけど、けっこう本気で好きだったんだけどなー。いっせーと、ちゃんと恋愛したかった。

次会うときは楽しくお話したいね!私ちょこっとお姉さんになってるかもだよ。

今夜はお電話ありがとう。

おやすみなさい。

彼女は1つ誤解していることがあるのでこの場で指摘しておくが、俺は『ENVY ME』を使ったことがないし、持ってもいない。彼女に勧めたこともない。それはマリアの勘違いだ。

さて。電話とメールによる、これらの一連のやり取りで調子に乗った俺は、勢いに乗ってマリアを誘い、一緒に焼き肉を喰いに行く約束を取り付けることに成功した。…俺と彼女が初めて出逢ったときのように。

これがキッカケで、また新しい物語が始まるかもしれない。

Fin.