最近、連日にわたってアユミと電話で話をしている。
内容は彼女の恋愛事情。ある理由で、アユミは俺に対し『報告義務』を負っている。

真面目で律儀な彼女は、そのすべてをありのままに俺に報告し、その話の内容をこのサイトに掲載することに関しても快く了承してくれている。

このサイトのネタにするため、俺は身の回りで起きているあらゆる恋愛事情を克明に記録している。ネタは数限りなくあるが、本人達の許可を得られないことが多く、掲載には至らない場合が多い。
そんな中、「掲載OK」というAYUMIの存在は非常にありがたい。

いま、俺の手元には二枚のメモがある。
それぞれ、7月9日、10日、二夜続けてAYUMIから電話がかかってきた、そのときの彼女の告白をまとめたものだ。

一枚目は、7月9日。着信があったのは23時40分と書かれている。

AYUMIは、明日、7月10日にBATIとデートをする約束があるそうだ。
日本語が若干不自由なBATIに困惑し、俺にアドヴァイスを求めてきた。

俺の流儀で、AYUMIの背中を押すために、俺は、7月7日に俺の身に起こった出来事をありのままに話した。
つまり、「一日で4回セックスをした」と。

俺の告白に対するAYUMIの返事も痛快だ。

「それは何人の女性と?」

「一人だよ。ひとり!」と答える俺。…複数人の女性が相手だったら、4回では到底済まなかっただろう。

電話の向こう側でAYUMIが笑った。
「ちょっといっせーさん! 高校生じゃないんだから!」

わかってる。
それは、俺自身が一番良くわかってる。でも、この昂りをどうしろと?

我慢して押さえ込んでおく?
ハッキリ言ってそれは馬鹿馬鹿しいな。
声高く快楽主義者を名乗っている俺の信条に反する。

BATIとのデートも同じだ。
自分の欲求を押さえ込んでせっかくのチャンスを台無しにしてしまうか?
彼とのデートを一生に一度の一大イベントに仕立て上げ、思いっきり楽しむか?

AYUMIは「いい刺激になった」と言った。
続けて、「私の身の回りの男性で一番刺激的なヒトだ」と。…これは最高の賛辞として受け取ろう。

二枚目のメモは簡潔だ。

実際の会話は1時間以上に及び、AYUMIとBATIのデートの内容を事細かに聞いた。
食事の後、カラオケに行ったこと、二人の会話のやりとり、途中コンビニに寄って重要な買い物をしたこと、彼の部屋に行ったこと。
しかし結局、それらを説明するために必要な言葉はたった二行の文章の中に収まった。

AYUMIからの電話があった時間、7月10日、23時05分。
結論。AYUMIとBATIが結ばれた。

事の発端はちょうど一ヶ月前。6月20日の出来事だ。
その日の記事のコメント欄に注目して欲しい。
AYUMI本人が、「6月20日を記念日にする」と書いている。

有言実行。彼女の目的は達成された。