7月17日。木曜日。

恒例となっている、俺とアユミの電話会議だ。

ハッキリ言って、最近のアユミの報告は内容が過激だ。
俺が「過激だ」というくらいだから、それは相当なものだと想像して欲しい。

アユミの告白 Episode.1】で、アユミのことを『真面目で律儀』と書いたが、彼女に対する俺のこの評価は間違っているのかもしれない。
いや、それとも、『真面目で律儀』であるが故に、俺の『教え』に忠実に従っているだけなのだろうか?

いずれにしても、俺が彼女に伝授している『恋の奥義』と、彼女の中に秘められた『魔性の力』がうまいこと融合して、俺が想像してた以上にとんでもないことになっている。

俺がアユミとはじめて知り合ったある日。
当時アユミはまだ20歳で、恋愛経験も少なく、それほど社交的でもなかった。過去の辛い体験がトラウマになっているような傾向があり、内気で、斜に構え、物事を素直に受け止めないような性格も見受けられた。
しかし、そんな彼女が、短期間でここまで飛躍するとは。
女という生き物はマジで怖いとつくづく思う。

その日の電話で、アユミは俺にこう言った。

「5回もシちゃったの♪」

5回以上続けられなかった理由は「コンドームが無くなったから」だという。

…ちょっと待てよ。
先日のアユミの報告によれば、7月10日の時点で、1ダース買っていたことになる。
あれからまだ一週間だ。それがもう既に無くなったということは、つまり…。

俺は気付いた。
アユミはやはり、『真面目で律儀』だ。
考えてみれば、これは俺が書いたシナリオどおりの展開じゃないか。
俺たちは共に、いい仕事をしている。
アユミは俺と同じ道を歩んでいるのだ。

4回のセックスで自己満足の世界に浸っている俺に対し、アユミはそれを超える5回のセックスで新しい世界に踏み込んだ。