今夜はパーティー!
Episode.5 「Beautiful Stranger」

壮絶だった、12月13日のあのパーティーから数日後。12月16日。火曜日。

その日、いつもより早く仕事を終え、今宵のディナーを共にする相手を探していた俺は、最初のターゲットとしてユカさんを選んだ。

彼女から最後に送られてきたメールの内容は、「夏紀、飲んでなくてもそのテンションなの?(笑)」だった。

なんだそれ?
飲んだらもっとテンション高くなるだろ?

ユカサン、もし予定空いてるなら、今からディナーに行かないか?

タイムリミットは18:00〜21:00hで!!

直後、すぐに彼女からの返信があった。

今日は忘年会なの。残念!

でもタイムリミット付きのお誘いは聞いたことないわ;-)

OK。OK。
問題ないよ。オマエのことはまた今度誘う。
今日は他の人を探すよ。

「タイムリミット付きのお誘いは聞いたことないわ;-)」というユカさんの言葉に刺激された俺は、「この手は意外と使えるかも?」と淡い期待を抱き、彼女に送信したのとまったく同じ内容のメールを、今度はビージャルに送った。

Beejal☆今夜は何してる!?
もし予定空いてるなら、今からディナーに行かないか?

タイムリミットは18:00〜21:00hで!!

…読者の方はお気づきだろうが、ユカさんに送ったメールの「コピー&ペースト」である。

直後。彼女から送られてきたメールが以下。

今授業中
好きじゃない
ごめん

「すっげぇ!」と思った。

ここ、日本人なら「今日はちょっと都合が悪くて」とかなんとか、遠回しにお断りするのが定跡だと思う。
それが…。

「好きじゃない」って!

めちゃくちゃストレート過ぎるだろうよ!?

しかしこんなときこそ、男心に火がつくものである。
俺は再び彼女にメールを送った。

なにぃ!?
食事くらい付き合えよ!(笑)

彼女からの返信があったのは翌日の深夜だった。

いいえ
オヤジとデートしたくないですほうっておいてください

ビックリした!
言葉を失った。
頭の中が真っ白になった。

な、、、なんで!?

こんな直球のメールを送ってくるなんて。

俺は、数日前に友人が語った、「あの女は難しいよ」という言葉を思い出した。

そしてこの日、俺は「二兎を追うもの一兎をも得ず」という昔ながらの教訓を、身をもって噛み締めることになった。

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